手続き・お金

児童扶養手当は父子家庭ももらえる?金額・所得制限・いつ振り込まれるか

「父子家庭 児童扶養手当」で検索してたどり着いた方へ。先に結論です。

児童扶養手当は、父子家庭も対象です。 もともとは母子家庭だけの制度でしたが、2010年(平成22年)8月から父子家庭にも広がりました。「父だから」で対象外になることはありません。

この記事は「いくらもらえるのか」「自分の所得だと対象になるのか」に絞って説明します。申請の持ち物や窓口での流れは、ひとり親の手当を申請する編にまとめてあります。

年度の注意:児童扶養手当の金額は、毎年4月に改定されます(物価に合わせて上下します)。この記事の金額は令和7年度(2025年4月分から)のものです。最新の額は、こども家庭庁または住んでいる自治体の一覧で確認してください。

この記事は公的機関と自治体の情報にもとづく整理です。個別の判断は窓口へ。

父子家庭も対象(2010年8月から)

児童扶養手当は、離婚・死別・未婚などで、ひとり親家庭になった世帯の子育てを支える手当です。

かつては「母子家庭」向けの制度でした。2010年8月に父子家庭も対象に加わり、いまは父でも母と同じ条件で申請できます。

わたしが窓口で「父ですが、対象になりますか」と念のため聞いたとき、担当の方は「もちろんです」という顔をしました。父子家庭でも当たり前に使える、と考えて大丈夫です。

いくらもらえる?(令和7年度・2025年4月分から)

支給には3つの区分があります。所得によって決まります。

  • 全部支給:所得が全部支給の限度額以下
  • 一部支給:限度額を超えるが、一部支給の限度額以下(金額は所得に応じて少しずつ減る)
  • 全部支給停止:一部支給の限度額を超える(資格は残るが、その期間は0円)

月額

次の額は、令和7年度(2025年4月分から)のものです。手当額は毎年4月に改定されます。

対象全部支給(月額)一部支給の範囲(月額)
児童1人46,690円11,010〜46,680円
児童2人(1人+2人目加算)57,720円16,530〜57,700円
児童3人(さらに3人目加算)68,750円22,050〜68,720円
  • 2人目の加算は11,030円、3人目以降も1人につき11,030円です(全部支給のとき)。
  • くり返しになりますが、この額は令和7年度のものです。必ずこども家庭庁の児童扶養手当のページや自治体の案内で最新を確認してください。

振り込みのスケジュール

奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)の11日ごろ、年6回、前の2か月分がまとめて振り込まれます。以前は年3回でしたが、2019年11月から年6回になりました。

わが家の区分が、この20年でどう動いたか(全部支給の年、一部支給に下がった年、また戻った年)は、有料note「シングルファザー、はじめの1年 ― 20年やってきて振り返る、手続きとお金でつまずいた話」(¥580)にまとめています。

わたしの実感として、全部支給と一部支給では、月1万円以上ちがう年もありました。所得が境目のあたりだと、その年の稼ぎで区分が変わります。だから「去年は全部支給だったから今年も」とは限りません。毎年、現況届のあとの通知を確認してください。

所得制限:自分は対象になる?

ここでいちばん誤解が多いのが、「年収いくらまで」で考えてしまうことです。判定に使うのは、額面の年収ではなく、各種の控除を引いたあとの「所得」です。

所得制限限度額(令和6年11月分から)

扶養している親族の人数で、限度額が変わります。

扶養親族の数全部支給の限度額(本人所得)一部支給の限度額(本人所得)
0人69.0万円208.0万円
1人107.0万円246.0万円
2人145.0万円284.0万円
3人183.0万円322.0万円
  • 扶養が1人増えるごとに、全部支給・一部支給とも38万円ずつ加算されます。
  • この表は令和6年11月の改定分です。所得制限も見直されることがあるので、最新を自治体で確認してください。

父子家庭で見落としやすい2点

1つめ:養育費をもらっている場合、その8割を所得に足して判定します。

受け取った養育費は、税金の上では所得になりません。ですが、児童扶養手当の判定では養育費の8割相当額を所得に加えることになっています。現金だけでなく、家賃や学費を相手が肩代わりしている場合も、養育費として見られます。相場の目安や公正証書での取り決め方は養育費の相場と取り決め方にまとめています。

2つめ:本人の所得を計算するとき、ひとり親控除・寡婦控除は使えません。

確定申告や年末調整では、ひとり親控除を受けられます(→ひとり親の税金がわかる)。ですが、児童扶養手当の「本人の所得」を計算するときには、ひとり親控除や寡婦控除は差し引きません。これらは、同居の親などの所得を見るときだけ使われます。

わたしは最初、「ひとり親控除があるから所得は下がるはず」と思い込んでいました。実際の判定は少し違い、課税証明書の「所得」の欄をそのまま限度額の表と見比べるのが、いちばん確実です。年収で早合点しないでください。

児童扶養手当 区分の考え方 見るのは課税証明書の「所得」 (年収ではない) A 所得 ≦ 全部支給の限度額 → 全部支給 B 全部支給の限度額 < 所得 ≦ 一部支給の限度額 → 一部支給(所得に応じ 少しずつ減る) C 所得 > 一部支給の限度額 → 全部支給停止 (資格は残る/その間0円) 養育費は8割を所得に加算。本人の所得計算にひとり親控除は使わない
図:児童扶養手当の区分の考え方(所得と限度額)

一部支給はどう計算される?(考え方だけ)

全部支給の限度額を超えても、いきなりゼロにはなりません。超えた分に応じて、少しずつ減っていきます。

計算式は次のようになっています(令和7年4月分から。参考です)。

  • 第1子:46,680円 −(本人の所得 − 全部支給の限度額)× 0.0256619
  • 第2子以降:11,020円 −(本人の所得 − 全部支給の限度額)× 0.0039568

この式を自分で計算する必要はありません。自治体が計算してくれます。知っておきたいのは、「境目を1円でも超えたら終わり」ではないということだけです。

いつから・いつまでもらえる

  • いつから:認定の請求をした月の翌月分からです。さかのぼって支給されないので、対象になりそうなら早く申請してください(手順は ひとり親の手当を申請する編)。
  • いつまで:子が18歳になった年度の3月31日まで。障害等級1級・2級の子は20歳未満まで。
  • 途中で半額になる仕組みがある:受給5年(または要件該当7年)の前後で手当が半分になりますが、毎年8月に届出を出せば回避できます。→ 詳しくは ひとり親の手当を申請する編。

まとめ

  • 児童扶養手当は父子家庭も対象(2010年8月から)
  • 区分は所得で決まる。境目でも急に消えず、少しずつ減る
  • 自分が対象かは、「課税証明書の所得」と「扶養人数ごとの限度額」を見比べる。年収で判断しない
  • 養育費の8割は所得に加算、本人の所得計算にひとり親控除は使わない——この2点に注意
  • 金額は令和7年度の額。毎年4月に改定されるので最新を確認

参考にした公式情報(一次情報)

※ 内容は2026年8月時点で確認したものです。制度・金額は変わることがあります。

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